舌小帯短縮症と舌癒着症の違い
1.舌小帯短縮症は舌小帯が短い症状のものを言います。
舌小帯が短い形態異常の病気で、厚生労働省で認められており、「舌小帯異常」と言う病名で、「舌小帯切離伸展術」と言う術式で、「頬・口唇・舌小帯形成術」という手術名で保険診療で行われます。
レーザーで舌小帯を切断しても舌小帯を伸ばしていないため、保険診療ではありません。
必ず、縫合が必要です。
ほとんどの方が舌小帯短縮症と舌癒着症を同じものとか勘違いしています。
舌癒着症の耳鼻咽喉科医が言うには、舌癒着症は不定愁訴の総称だそうです。
舌小帯が短いというのは関係ないそうである。
喉頭が上前方に偏位している病気で、呼吸に問題があり、日本人の90%以上が喉頭蓋偏位症なんだそうです。
舌小帯は関係ないと言いながら、舌小帯で舌癒着症は分類されます。
舌癒着症は0-3重度が多いようです。
舌癒着症のイラストの術前のものは、実は赤ちゃんのイラストです。
赤ちゃんは喉頭ができていないため、喉頭蓋が直立状態で動かず、気管を塞ぐことができないため誤嚥しやすい。
母乳やミルクは喉の奥の喉頭に来ると、直立している喉頭蓋を左右に避けて食道に流れ込んでいます。
喉頭蓋が直立しているということは、鼻から入ってくる空気はそのまま気道に入っていきます。
だから赤ちゃんは母乳やミルクを飲みながら呼吸ができるのです。
こんなことは耳鼻咽喉科医なら常識です。
離乳食が始まるころから喉頭が機能し始め、呼吸するときは喉頭蓋は直立し、嚥下するときは気道に食物が入らないように喉頭蓋が気道を蓋をします。
この喉頭蓋の運動はオトガイ舌筋ではなく、舌骨や喉頭軟骨に付いている外喉頭筋群が行います。
だから舌癒着症のオトガイ舌筋を切っても喉頭は全然動きません。
①は口腔前庭拡大術という鼻の穴を大きくして空気を多く取り入れることを目標とする手術で、舌癒着症とセットで行われる手術である。
患者には上唇小帯癒着と説明しているようです。
②は舌癒着症手術でオトガイ舌筋3層まで切るようです。
喉頭はこの図でもわかるように舌とくっついていません。
喉頭はオトガイ舌骨筋や舌骨筋で動きます。
オトガイ舌筋を3層切っても喉頭は動きません。
というかもし喉頭が上前方に移動しているのなら角度、移動している距離を明記しなければなりません。
そのためにはレントゲンかMRIが必要ですが、何故か撮影されていません。
③舌癒着症が舌と下顎骨と癒着しているのならこの部位を剥離手術しなければならないが、実際は②を切除しているだけである。(何の意味もないのである。)
舌癒着症が呼吸に問題があるのなら、呼吸抵抗検査などの検査が必要で、更に、レントゲン、CT、MRI検査も必要。
喉頭が上前方に移動しているのを検査するするのは内視鏡だけのようです。
内視鏡は鼻から入れて上から喉頭を覗いているため、上前方の上が分かりません。
喉頭を横から見る必要があるため、レントゲン検査は必要である。
そして、患者は舌小帯短縮症を舌癒着症と勘違いして受診するため、鑑別診断して舌小帯短縮症なら舌小帯を切っている医療機関に回すことが普通なのだが、舌癒着症にしてしまうようです。
冷静に考えば舌癒着症なんてものは存在しないのであるが、初診時に集団説明会を行い、手術枠が少ないという危機感を煽られ、予約してしまうようである。
そのため個人のインフォームドコンセントが不十分で鼻の穴の変形も説明しないようである。
中には手術しても効果が無かった人もいるが、たいていの人は「呼吸が楽になる」という暗示にかかってしまうようである。
舌癒着症の効果が無い方に、「子供たちを舌癒着症手術から守ろう」というブログがありますからコンタクトしてみてください。
« 舌小帯短縮症の確定診断 | トップページ | 発達障害の治療で舌小帯を切るのではありません »
「健康」カテゴリの記事
- インフルエンザウィルスの本当の予防(2019.02.13)
- 平成31年1月27日舌小帯切除終了しました(2019.01.30)
- 滑舌と構音障害のはなし(2018.12.25)
- 滑舌トレーニングCD販売開始(2018.12.16)
- 11月25日舌小帯切除手術無事終了(2018.11.25)
最近のコメント